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2020年9月1日火曜日

クラビネット Clavinet

 

クラビネットを演奏するスティービー・ワンダー

クラビネットを演奏するスティービー・ワンダー

見た目は電子キーボードだが電子楽器ではない。

クラビネットは、弦に金属片を打ち付けて音を出すクラビコードの基本構造を元にピックアップを取り付けてアンプにつなげるようにしたもの。

電子音ではなく、もともとは弦の振動なので「電気楽器」という分類になる。アコースティック・ギターをエレクトリック・ギターに発展させたのと同じ流れだ。

クラビネットは、構造上、短い音の響きになる。つまりスタッカート気味の音になる。このスタッカートが小気味良くリズミカルに演奏することが可能でありお大きな特徴となっている。さらに、アンプに繋がれるので、音量はもちろん音質も変化させることができる。

アメリカの歌手でキーボード奏者のスティービー・ワンダーは、ピアノや数々の電子キーボードを演奏するが、クラビネットも愛奏楽器のひとつである。スタッカート気味の音を活かしたリフは楽曲に高揚感を与える。

Clavinet は ホーナー社 (Hohner Musikinstrumente) の商品名



2020年8月27日木曜日

クラヴィコード Clavichord

 クラヴィコードは 15世紀ごろにはすでに開発されており、18世紀ごろまでに広く使われていたヨーロッパの楽器。

鍵盤の操作で弦を叩いて音を出す。

クラヴィコード clavichord
小さな金属片(タンジェントと呼ばれる)で弦を叩くが、同時に弦の有効長さ(弦が振動する長さ)を決めるというのがクラヴィコードの特徴だ。
音が小さく、演奏会用にはあまり向いていないが、家庭用として普及していたようだ。

クラヴィコードに音量増幅用としてピックアップをつけて電気式キーボードに改良した楽器があり、クラビネット (clavinet)と呼ばれている。


2020年2月15日土曜日

100本の弦

サントゥールは、イラン(ペルシア)発祥とされるの打弦楽器(弦を叩いて音を出す)で、インドでも同じ名前の楽器がある。

サントゥールという名前は、「100本の弦」という意味から名付けられたという。本当にキッチリ弦が100本あるかどうかちょっと違うようだけど100本近くあるのは確かなようだ。
ペルシア(イラン)のサントゥール


インドのサントゥール

打弦する楽器という演奏方法は、ペルシャのサントゥールから世界中に広がり、西へはヨーロッパ全土、東へはインド、中国、東アジアへと伝わった。


2019年11月13日水曜日

日本にも打弦楽器が ・・・

夜雨琴(やうきん)
打弦楽器は、弦を叩いて鳴らす楽器。もっとも発達し、高い技術で作り上げたのが鍵盤を持つピアノだが、古くはペルシャあたりでスティックで弦を打つ楽器が作られ、現在でもこの伝統的な楽器は、ほぼ形を変えず使われている。
ペルシャの打弦楽器は、西はヨーロッパ全域、東はインド、中国、東南アジアへと伝わり様々な文化を反映し、その地域独自の音楽にあわせて改良され愛用されるようになった。
東の端っこ、つまり日本へも1600年代に大陸から琉球にも伝わり夜雨琴と呼んだ。おそらく中国の打弦楽器「楊琴、洋琴(ヤンチン、ようきん)」という名前から夜雨琴の漢字を当てたのだろう。なんかハートに染みる情緒満載の名前だ。
夜雨琴(やうきん) 日本の打弦楽器

琉球王国では、御坐楽(うざがく)という室内で演奏する楽曲があり、夜雨琴は、その楽団で使う楽器のひとつとして演奏された。
琉球王国の滅亡とともにオリジナルの御座楽の伝承は絶えたが、当時の楽曲を復活させて演奏することも行われている。当時の本物の夜雨琴は、博物館行きの個体しか残っていないようだが、復活製作されている。
とはいえ、打弦楽器は日本では定着する琴は(事は)なく、知名度はすこぶる低い。

西アジアから、全世界に広がった打弦楽器
日本の夜雨琴は ほとんど目にすることはないが、下記の楽器は使用頻度は少ないものの現在でも「現役の楽器」として活躍している。
打弦楽器

santur(サントゥール)は、古代ペルシャから、そして現在でも使われている打弦楽器のルーツ。

santoor(サントゥール)は、インドで使われいる同じ名前の打弦楽器。

中でもハンガリーのチンバロンは、堂々とした大型のボディで 響きを制御するダンパーが装備されているなど、鍵盤の無いピアノのようだ。

yang qin(ヤンチン)は、中国の打弦楽器。

yang geum(ヤングム)は、韓国の打弦楽器

khim(キム)は、タイ王国の打弦楽器。


2019年1月20日日曜日

弦を叩いて音を出す

弦をスティックでたたいて音を出す楽器。
ピアノの祖先だという記述をよく見かける。なるほど、そうかもしれない。でもそんなに単純なものでもないだろう。
弦を たたくという点ではピアノと同じなんだけど、ハープシコードの存在を抜きにしてはならない。ハープシコードは鍵盤を備えていて「弦をはじく構造」。これを「弦をたたく構造」に改良したのがピアノだといえる。
音程の違う複数の弦をたたくという そもそもの発想は、古い歴史があるサントゥールなどからきている。だから、発音する仕組みだけをとらまえて見ると、これらの打弦楽器はピアノの祖先といえるのかもしれない。
サントゥール Santur
サントゥール Santur(ペルシャ)
ペルシャ(現在のイラン)で使われ始めた打弦楽器。これが、以下に紹介する各地域に伝わって行った。


サントゥール Santoor
サントゥール Santoor(インド)

ハックブレット Hackbrett
ハックブレット Hackbrett(ヨーロッパ)

ヤンチン Yang qin
ヤンチン Yang qin(中国)

ヤングム Yang geum
ヤングム Yang geum(朝鮮半島)

キム Khim
キム Khim(タイ・カンボジア)

ちなみに、弦をたたいて音を出すといえば、ピアノより古いクラビコードという楽器がある。
クラビコードは 弦の長さを変えつつ弦をたたくという独特の構造を持っている。詳しくは私家版楽器事典を見てちょうだい。

2016年12月3日土曜日

世界の打弦楽器


サントゥール(ペルシャ)
persian santur
西アジアでは古くから高い文明・文化によって完成された楽器が作られ演奏されていた。
サントゥールは、複数の弦を共鳴箱に張り巡らせて、スティックで打って音を出す。
弦を打って音を出すといえば現在ではピアノがあるが、最初に音程が出る打弦楽器として完成されたのはペルシャのサントゥールだろう。
下記に紹介している各地域の楽器は、西アジアから伝わり、それぞれ独自の文化に合うよう改良されたもの。日本にも中国経由で伝わり「夜雨琴」という名が付いている。

サントゥール(ペルシャ) santoor(persian santur)
世界中の打弦楽器の元になったサントゥール


サントゥール(インド)
indian santoor
インドのサントゥール。ペルシャのサントゥールと同じく台形の共鳴箱だが、分厚く作られている。

サントゥール(インド) santoor(indian santoor)


ハックブレット
Hackbrett
ドイツあたりで使われている打弦楽器。
演奏する格好からかドイツ人は、この楽器に調理器具の名前をつけた。Hackbrettは、もともと楽器の名称ではなく「まな板」のことだ。

ハックブレット

チンバロン
cimbalom(cimbál)
ハンガリーなど、東部のヨーロッパで使われいる打弦楽器。大型で4オクターブ以上の音域がありオーケストラでも使用される。
カタカナでツィンバロムと表記されることもある。
チンバロン cimbalom (cimbál)


ハンマー・ダルシマー
hammered dulcimer
dulcimerは、英語圏での打弦楽器の総称。
アメリカ合衆国で生まれた「弦をはじく楽器」としてダルシマーと呼ばれる楽器があり、区別をするためにハンマー・ダルシマーと呼ぶ(hammered dulcimer なので正確にはハンマード・ダルシマー)。

ハンマー・ダルシマー hammered dulcimer


キム
kim(khim)
タイの打弦楽器。
キム kim(khim)



ヤンチン(揚琴)
yang qin
中国の打弦楽器で洋琴とも書く。
日本にも伝わり、江戸時代には演奏されていたらしく、その名は夜雨琴(やうきん)という情緒的な文字で書かれた。中国語の発音を当て字にしたのだろう。

ヤンチン(揚琴) yang qin


2014年3月10日月曜日

キム

タイのキム
キム khim
キムはタイの打弦楽器。
3☓14=42
3本の弦が1セットになっていて、14の音高があり、弦の総数は42本である。

打弦楽器は、もともと古代より楽器が発達していた西アジアの生まれ。ヨーロッパにもインドにも中国にも伝わり、それぞれの音楽や文化に溶け込んで発達した弦楽器だ。タイのキムは、中国経由で伝わったのだという。
極東日本にも伝来し、日本では「夜雨琴」呼ばれていたが日本で独自に発達して音曲に採用されることはほとんどなかった。

複数の調律された音程の弦を叩いて鳴らすという発想は現在のピアノにも通づる。ピアノの元祖だと書かれていることもあるが、まあそれは短絡した考えだろう。弦を叩くという発想をチェンバロに応用しただけだと思うのだけど、いかがなもんだろう。

2013年3月2日土曜日

楊琴 (ヤンチン)

中国の打弦楽器 楊琴(ヤンチン / Yangqin)
中国の楊琴(ヤンチン)
1980代初期、ハウス食品の即席ラーメンで「マダム ヤン(楊夫人)」というのがあった。
婦人ではなく夫人である、夫人とは中国ではいわゆる「奥様」のことのようだ。テレビCMでは別嬪さんの奥様が出てラーメンを紹介するってな具合。
ここで紹介する楽器は即席ラーメンとは関係ない。関係ないけれど、ちょっと思い出しただけ。

さて、楊琴は中国の打弦楽器。2本の細いスティックで弦を叩く。「楊」はヤナギの木のことなので、しなやかなスティックを指して楊琴の名になったのかもしれない。
むかしむかし、ペルシャ(イラン)あたりの楽器が東方に伝来し、中国の伝統楽器となったようである。
ハープ属の形

ハープ属の形をよくよく見ると、基本的に「L字形」をしていて、演奏する姿勢によって方向が変わっていることがわかる。
右の図は同じイラストをコピーして右へ左へクルクル回したものだ。

箜篌
箜篌は音響ボディを抱えて弾く。弦は音響ボディから下方向に向かって張られる。

サウン・ガウ
例えばサウンガウは、音響ボディが底面にある。保管する場合には安定した形だね。比較的小さなハープにこの形が多い。アフリカのハープにも、この形があったりするね。

サウン・ガウ
サウン・ガウ

西洋のハープ
グランドハープやイタリア、スペインなどでアルパと呼ばれている西洋のハープは音響ボディを抱えて弾くが、箜篌と比べると上下が逆だ。弦は音響ボディから上方向に向かって張られる。逆三角形で重心が高いので倒れなかちょっと不安。

現在のいわゆるハープにはもう一本支柱が存在する。弦を強く張るほうがいい音がでるので、だんだんと強い弦が開発され、その張力に楽器本体が耐えられるようにしたんだろうね。

アルパ
アルパ