2019年11月13日水曜日

日本にも打弦楽器が ・・・

夜雨琴(やうきん)
打弦楽器は、弦を叩いて鳴らす楽器。もっとも発達し、高い技術で作り上げたのが鍵盤を持つピアノだが、古くはペルシャあたりでスティックで弦を打つ楽器が作られ、現在でもこの伝統的な楽器は、ほぼ形を変えず使われている。
ペルシャの打弦楽器は、西はヨーロッパ全域、東はインド、中国、東南アジアへと伝わり様々な文化を反映し、その地域独自の音楽にあわせて改良され愛用されるようになった。
東の端っこ、つまり日本へも1600年代に大陸から琉球にも伝わり夜雨琴と呼んだ。おそらく中国の打弦楽器「楊琴、洋琴(ヤンチン、ようきん)」という名前から夜雨琴の漢字を当てたのだろう。なんかハートに染みる情緒満載の名前だ。
夜雨琴(やうきん) 日本の打弦楽器

琉球王国では、御坐楽(うざがく)という室内で演奏する楽曲があり、夜雨琴は、その楽団で使う楽器のひとつとして演奏された。
琉球王国の滅亡とともにオリジナルの御座楽の伝承は絶えたが、当時の楽曲を復活させて演奏することも行われている。当時の本物の夜雨琴は、博物館行きの個体しか残っていないようだが、復活製作されている。
とはいえ、打弦楽器は日本では定着する琴は(事は)なく、知名度はすこぶる低い。

西アジアから、全世界に広がった打弦楽器
日本の夜雨琴は ほとんど目にすることはないが、下記の楽器は使用頻度は少ないものの現在でも「現役の楽器」として活躍している。
打弦楽器

santur(サントゥール)は、古代ペルシャから、そして現在でも使われている打弦楽器のルーツ。

santoor(サントゥール)は、インドで使われいる同じ名前の打弦楽器。

中でもハンガリーのチンバロンは、堂々とした大型のボディで 響きを制御するダンパーが装備されているなど、鍵盤の無いピアノのようだ。

yang qin(ヤンチン)は、中国の打弦楽器。

yang geum(ヤングム)は、韓国の打弦楽器

khim(キム)は、タイ王国の打弦楽器。


ハープ属の形

ハープ属の形をよくよく見ると、基本的に「L字形」をしていて、演奏する姿勢によって方向が変わっていることがわかる。
右の図は同じイラストをコピーして右へ左へクルクル回したものだ。

箜篌
箜篌は音響ボディを抱えて弾く。弦は音響ボディから下方向に向かって張られる。

サウン・ガウ
例えばサウンガウは、音響ボディが底面にある。保管する場合には安定した形だね。比較的小さなハープにこの形が多い。アフリカのハープにも、この形があったりするね。

サウン・ガウ
サウン・ガウ

西洋のハープ
グランドハープやイタリア、スペインなどでアルパと呼ばれている西洋のハープは音響ボディを抱えて弾くが、箜篌と比べると上下が逆だ。弦は音響ボディから上方向に向かって張られる。逆三角形で重心が高いので倒れなかちょっと不安。

現在のいわゆるハープにはもう一本支柱が存在する。弦を強く張るほうがいい音がでるので、だんだんと強い弦が開発され、その張力に楽器本体が耐えられるようにしたんだろうね。

アルパ
アルパ