2023年2月25日土曜日

背が高い鍵盤楽器

似た形 

縦型で上下方向に弦を張っていて、弦の長さに対応して美麗な曲線を描いている。

この3種類の楽器は背が高く、似た形をしている。鍵盤を操作して弦を鳴らすのも同じ。

でも、「生まれ方」が違うんだね。

◆ 元はハープシコード

クラビツィテリウム clavicytherium
クラビツィテリウム clavicytherium
クラビツィテリウムは、ハープシコードを縦型にしたもの。ハープシコードは長い弦を張ってあるので縦型にするととても背が高くなる。
配置した時の床面積を小さくするために作られた。地震に注意しなければならないほどノッポだ。
縦型にしても、弦をひっかいて音を出す仕組みは同じ。

◆ 元はグランドピアノ

ジラフ ピアノ Giraffe Piano
ジラフ ピアノ Giraffe Piano

その昔、ピアノといえば、現在でいうグランドピアノだ。長い弦を床と平行になるようにはってある。
縦型にすれば、置き場所が小さくて済む。首が長いキリン(ジラフ)のようだということで、この名がついた。
19世にはいってから、家庭で使われるピアノとしてコンパクトな縦型のピアノがいろいろ考案されたという。


◆ 元はハープ

クラビ・ハープ Clavi Harp
クラビ・ハープ Clavi Harp
ハープを鍵盤で演奏できるようにした。
Clavi といのは鍵盤のこと。そのまんま、鍵盤付きハープというわけだ。
ハープの「鳴らせ方」を引き継いで弦をはじいて音を出すのはもちろんだが、面白い仕掛けも取り入れている。
その仕掛けは、弦長の真ん中を軽く押さえて1オクターブ高い音を出すカラクリ(いわゆるハーモニックス)が組み込まれているんだ。

残念ながら、これらのユニークな楽器は、現在では博物館なんかで展示される古楽器として扱われて存在になってしまった。


ハープ属の形

ハープ属の形をよくよく見ると、基本的に「L字形」をしていて、演奏する姿勢によって方向が変わっていることがわかる。
右の図は同じイラストをコピーして右へ左へクルクル回したものだ。

箜篌
箜篌は音響ボディを抱えて弾く。弦は音響ボディから下方向に向かって張られる。

サウン・ガウ
例えばサウンガウは、音響ボディが底面にある。保管する場合には安定した形だね。比較的小さなハープにこの形が多い。アフリカのハープにも、この形があったりするね。

サウン・ガウ
サウン・ガウ

西洋のハープ
グランドハープやイタリア、スペインなどでアルパと呼ばれている西洋のハープは音響ボディを抱えて弾くが、箜篌と比べると上下が逆だ。弦は音響ボディから上方向に向かって張られる。逆三角形で重心が高いので倒れなかちょっと不安。

現在のいわゆるハープにはもう一本支柱が存在する。弦を強く張るほうがいい音がでるので、だんだんと強い弦が開発され、その張力に楽器本体が耐えられるようにしたんだろうね。

アルパ
アルパ