2012年12月22日土曜日

スワルサンガム と スワルマンダル

スワルサンガム と スワルマンダル Swarsangam and Swarmandal
スワルサンガム(上) と スワルマンダル(下)
インドの楽器。
おそらく、西洋のチター属の弦楽器から派生したものであって、インドの伝統的な楽器ではなさそうである。

スワル サンガムには、ジャワリというビリビリ音を出す仕組みがブリッジに組み込まれている。これはインドならではの構造ではあるが、楽器全体としては、ヨーロッパ(特に北欧)に広く分布しているチター属である。ヨーロッパでは民族楽器としてそれぞれの地域で古くより愛用されている。

スワル マンダルは、中世ヨーロッパではプサルテリウムとか呼ばれていた弦楽器の系列で、近年の新しい楽器ではオートハープ(不要な音をミュートして和音を出すハープ)がある。スワル マンダルは、オートハープのコードバーを取り外したものと言い切っていいくらい酷似した形状。

インド人は音楽好き、楽器好きである。日本の大正琴もインド流に改造されてブルブルタラングという名で愛用されていたり、バイオリンやリード・オルガン(ハーモニウム)も、インド音楽のアンサンブルに入り込んでいる。
伝統的民族音楽や、その楽器は伝統として守って行かねばならぬ、と思うのは他国地域人の勝手な思い込みだろう。創作楽器でもって「新しい音」を自分たちの音楽に取り入れていくのは長い歴史のなかでどんどんやってきた事なんだからね。
ハープ属の形

ハープ属の形をよくよく見ると、基本的に「L字形」をしていて、演奏する姿勢によって方向が変わっていることがわかる。
右の図は同じイラストをコピーして右へ左へクルクル回したものだ。

箜篌
箜篌は音響ボディを抱えて弾く。弦は音響ボディから下方向に向かって張られる。

サウン・ガウ
例えばサウンガウは、音響ボディが底面にある。保管する場合には安定した形だね。比較的小さなハープにこの形が多い。アフリカのハープにも、この形があったりするね。

サウン・ガウ
サウン・ガウ

西洋のハープ
グランドハープやイタリア、スペインなどでアルパと呼ばれている西洋のハープは音響ボディを抱えて弾くが、箜篌と比べると上下が逆だ。弦は音響ボディから上方向に向かって張られる。逆三角形で重心が高いので倒れなかちょっと不安。

現在のいわゆるハープにはもう一本支柱が存在する。弦を強く張るほうがいい音がでるので、だんだんと強い弦が開発され、その張力に楽器本体が耐えられるようにしたんだろうね。

アルパ
アルパ