2012年10月1日月曜日

ベガンナ

ベガンナ

リラは2本の柱があって、横棒に弦が配置されている構造の弦楽器。ハープの仲間ではあるけれども、リラはリラとして区別しておくことにしよう。

で、ベガンナは、エチオピアのリラである。
大型で弦が長く、低音が出る。唄の伴奏や、詩を朗読する際のバック・グラウンド・ミュージックとして使われていたとか。一般庶民というよりは貴族のあいだで使われていた楽器のようだ。

弦は6本から多いものでは10本と定まってはいない。アフリカの弦楽器は、共鳴胴に皮が張ってあるものが多いがベガンナも胴体は皮張りで、そのせいか重圧・低音・ハスキーな音がする。

リラといえば、その音は「ポロン・ピロン」というキラキラした音のイメージであるが、ベガンナの音は地をはうような低い音で「ジュイーン・ビェーン」という感じ。インドのタンプーラを思い起こさせる音質だ。

調弦のために弦を締め付ける小さな木片があって、古代メソポタミア、エジプト、ギリシャ、シュメールのリラと、とてもよく似た構造。おそらく、シュメールのリラが西へと伝わり、エジプトからエチオピア方面にも伝わったのではないかと思われる。

英語で beganna と綴られるようだが ベナンガとかベゲナとかとも呼ばれる。
ハープ属の形

ハープ属の形をよくよく見ると、基本的に「L字形」をしていて、演奏する姿勢によって方向が変わっていることがわかる。
右の図は同じイラストをコピーして右へ左へクルクル回したものだ。

箜篌
箜篌は音響ボディを抱えて弾く。弦は音響ボディから下方向に向かって張られる。

サウン・ガウ
例えばサウンガウは、音響ボディが底面にある。保管する場合には安定した形だね。比較的小さなハープにこの形が多い。アフリカのハープにも、この形があったりするね。

サウン・ガウ
サウン・ガウ

西洋のハープ
グランドハープやイタリア、スペインなどでアルパと呼ばれている西洋のハープは音響ボディを抱えて弾くが、箜篌と比べると上下が逆だ。弦は音響ボディから上方向に向かって張られる。逆三角形で重心が高いので倒れなかちょっと不安。

現在のいわゆるハープにはもう一本支柱が存在する。弦を強く張るほうがいい音がでるので、だんだんと強い弦が開発され、その張力に楽器本体が耐えられるようにしたんだろうね。

アルパ
アルパ