2020年7月15日水曜日

アフリカの弦楽器

ムベト Mvet
ムベトは、ガボン、カメルーン、赤道ギニアなどで使われている弦楽器。stick zither(棒状のツィター)とも呼ばれることがあるようで、特殊な構造をしている。 ツィターのようでもあるけどハープのようでもある。
1.5メートル~2メートルのほどの棒の中程から直角に縦長のブリッジが配置されていて、複数の弦は三角形を描くように立体的に張られている。これはちょうど、斜張橋(しゃちょうきょう)という構造の橋みたいな形をしているね。
2つ~4つの半球の瓢箪を共鳴器として備えており、これは胸の部分で塞いだり開けたりして音質を変えながら演奏することも可能だ。
アフリカの弦楽器:ムベト Mvet

ムベトは、ソロで演奏することも、叙事詩の伴奏としても使われる。
20世紀後半にはカメルーンの音楽ジャンルである ビクツィ音楽(Bikutsi) の中心となる楽器となっている。
新しくは、ドラムセットやベースギターなどのジャズやポップスで使われている楽器と共に幅広い音楽にも参加するようになってきた。


ハープ属の形

ハープ属の形をよくよく見ると、基本的に「L字形」をしていて、演奏する姿勢によって方向が変わっていることがわかる。
右の図は同じイラストをコピーして右へ左へクルクル回したものだ。

箜篌
箜篌は音響ボディを抱えて弾く。弦は音響ボディから下方向に向かって張られる。

サウン・ガウ
例えばサウンガウは、音響ボディが底面にある。保管する場合には安定した形だね。比較的小さなハープにこの形が多い。アフリカのハープにも、この形があったりするね。

サウン・ガウ
サウン・ガウ

西洋のハープ
グランドハープやイタリア、スペインなどでアルパと呼ばれている西洋のハープは音響ボディを抱えて弾くが、箜篌と比べると上下が逆だ。弦は音響ボディから上方向に向かって張られる。逆三角形で重心が高いので倒れなかちょっと不安。

現在のいわゆるハープにはもう一本支柱が存在する。弦を強く張るほうがいい音がでるので、だんだんと強い弦が開発され、その張力に楽器本体が耐えられるようにしたんだろうね。

アルパ
アルパ