2017年3月16日木曜日

ダンバウ đàn bầu

ダンバウは、1本だけの弦を持つベトナムの楽器。形状も演奏方法も独特。世界でも類を見ない。
演奏は、右手で弦に軽く触れつつ、はじいてハーモニックスで音を出す。そして左手でレバーを使って弦の張りを変化させて音程を変えることができる。
これで、音程を正しく捕まえて演奏するには相当な技術が必要だろう。

元祖ダンバウはこのイラストのように太い竹筒を使っていた。
ダンバウ đàn bầu
共鳴胴が竹のダンバウ
難点は音量が小さいということ。とはいうものの、この楽器は大きな会場でみんなに聴かせるためのものではなかっただろうから、室内で一人で、または数人で演奏するのには十分だったのかもしれない。

現在の共鳴胴は、木製の箱でできている。
ベトナムの楽器 ダンバウ
新しいタイプのダンバウ
ちなみに、ダンバウを漢字で書くと「弾匏」。「匏」はヒョウタンやユウガオなど殻のことで、弦を匏に取り付けているところから名付けられたと思われる。
ハープ属の形

ハープ属の形をよくよく見ると、基本的に「L字形」をしていて、演奏する姿勢によって方向が変わっていることがわかる。
右の図は同じイラストをコピーして右へ左へクルクル回したものだ。

箜篌
箜篌は音響ボディを抱えて弾く。弦は音響ボディから下方向に向かって張られる。

サウン・ガウ
例えばサウンガウは、音響ボディが底面にある。保管する場合には安定した形だね。比較的小さなハープにこの形が多い。アフリカのハープにも、この形があったりするね。

サウン・ガウ
サウン・ガウ

西洋のハープ
グランドハープやイタリア、スペインなどでアルパと呼ばれている西洋のハープは音響ボディを抱えて弾くが、箜篌と比べると上下が逆だ。弦は音響ボディから上方向に向かって張られる。逆三角形で重心が高いので倒れなかちょっと不安。

現在のいわゆるハープにはもう一本支柱が存在する。弦を強く張るほうがいい音がでるので、だんだんと強い弦が開発され、その張力に楽器本体が耐えられるようにしたんだろうね。

アルパ
アルパ