2010年9月19日日曜日

箜篌(くご)

箜篌/百済琴箜篌は中国のハープ。
竪箜篌(たてくご)、鳳首箜篌(ほうしゅくご)、臥箜篌(ふせくご)などの形状があるが、ここで紹介しているのは竪箜篌。

古代アッシリア、ササン朝ペルシアあたりで発祥した弦楽器で、中国へ、そして日本へも伝来した。
日本では百済琴(くだらごと)とも呼ばれているように、奈良時代に朝鮮半島の百済楽とともに伝来し、平安初期まで雅楽器として用いられた。

竪箜篌は、私たちがよく知っている西洋のハープと似ていて演奏姿勢も同じといっていい。
でも、よく見ると上下が逆であるのに気づく。もう一つ違うのは「L字形」で、支柱が無い。当時は高張力に耐える弦がなかったのだろう。弦は緩く張ってあるので支柱がなくても壊れたり、反り返ったりしなかったようだ。チューニングはヒモで締め付ける組紐式。
共鳴胴は木材で作るのが一般的だけど、箜篌は金属の銅で作られているものもあるという。
ハープ属の形

ハープ属の形をよくよく見ると、基本的に「L字形」をしていて、演奏する姿勢によって方向が変わっていることがわかる。
右の図は同じイラストをコピーして右へ左へクルクル回したものだ。

箜篌
箜篌は音響ボディを抱えて弾く。弦は音響ボディから下方向に向かって張られる。

サウン・ガウ
例えばサウンガウは、音響ボディが底面にある。保管する場合には安定した形だね。比較的小さなハープにこの形が多い。アフリカのハープにも、この形があったりするね。

サウン・ガウ
サウン・ガウ

西洋のハープ
グランドハープやイタリア、スペインなどでアルパと呼ばれている西洋のハープは音響ボディを抱えて弾くが、箜篌と比べると上下が逆だ。弦は音響ボディから上方向に向かって張られる。逆三角形で重心が高いので倒れなかちょっと不安。

現在のいわゆるハープにはもう一本支柱が存在する。弦を強く張るほうがいい音がでるので、だんだんと強い弦が開発され、その張力に楽器本体が耐えられるようにしたんだろうね。

アルパ
アルパ