ピアノの祖先だという記述をよく見かける。なるほど、そうかもしれない。でもそんなに単純なものでもないだろう。
弦を たたくという点ではピアノと同じなんだけど、ハープシコードの存在を抜きにしてはならない。ハープシコードは鍵盤を備えていて「弦をはじく構造」。これを「弦をたたく構造」に改良したのがピアノだといえる。
音程の違う複数の弦をたたくという そもそもの発想は、古い歴史があるサントゥールなどからきている。だから、発音する仕組みだけをとらまえて見ると、これらの打弦楽器はピアノの祖先といえるのかもしれない。
サントゥール Santur(ペルシャ) |
サントゥール Santoor(インド) |
ハックブレット Hackbrett(ヨーロッパ) |
ヤンチン Yang qin(中国) |
ヤングム Yang geum(朝鮮半島) |
キム Khim(タイ・カンボジア) |
ちなみに、弦をたたいて音を出すといえば、ピアノより古いクラビコードという楽器がある。
クラビコードは 弦の長さを変えつつ弦をたたくという独特の構造を持っている。詳しくは私家版楽器事典を見てちょうだい。