2023年4月8日土曜日

ビルマの竪琴

 サウン・ガウ

サウンガウ Saung gauk
サウンガウ Saung gauk

サウン・ガウは、ミャンマーに古くから伝わるハープ型の弦楽器。古代インドの楽器から影響を受けたと云われている。

膝の上に抱きかかえるようにして、右手で弦をはじく。左手は、弦を押さえてミュートを効かせながら音程を変える。

横置きで、棹がくるんと湾曲しているので、とても特徴的的な外観。湾曲した棹はアカシアの仲間の木の根っ子だそうだ。16本の弦は絹糸で棹に紐で留められている。
日本では「ビルマの竪琴」という名で通っている。

ビルマの竪琴とは、竹山道雄の第二次世界大戦でのビルマ(現在のミャンマー)を舞台とした小説で日本兵がモデルになっている。楽才のある日本人が竪琴を弾いている場面があるが、これがサウン・ガウだ。
映画化されたこともあり、日本ではサウン・ガウをビルマの竪琴と呼ぶことも多い。
もともと、宮廷で使われる高貴な楽器なので、日本人がこの楽器を弾きこなすというのは現実的ではないのだけれどね。
とはいえ、時代は変わり 現実には、ネット通販で購入できたりするんだね。

ハープ属の形

ハープ属の形をよくよく見ると、基本的に「L字形」をしていて、演奏する姿勢によって方向が変わっていることがわかる。
右の図は同じイラストをコピーして右へ左へクルクル回したものだ。

箜篌
箜篌は音響ボディを抱えて弾く。弦は音響ボディから下方向に向かって張られる。

サウン・ガウ
例えばサウンガウは、音響ボディが底面にある。保管する場合には安定した形だね。比較的小さなハープにこの形が多い。アフリカのハープにも、この形があったりするね。

サウン・ガウ
サウン・ガウ

西洋のハープ
グランドハープやイタリア、スペインなどでアルパと呼ばれている西洋のハープは音響ボディを抱えて弾くが、箜篌と比べると上下が逆だ。弦は音響ボディから上方向に向かって張られる。逆三角形で重心が高いので倒れなかちょっと不安。

現在のいわゆるハープにはもう一本支柱が存在する。弦を強く張るほうがいい音がでるので、だんだんと強い弦が開発され、その張力に楽器本体が耐えられるようにしたんだろうね。

アルパ
アルパ