打弦楽器は、弦を叩いて鳴らす楽器。もっとも発達し、高い技術で作り上げたのが鍵盤を持つピアノだが、古くはペルシャあたりでスティックで弦を打つ楽器が作られ、現在でもこの伝統的な楽器は、ほぼ形を変えず使われている。
ペルシャの打弦楽器は、西はヨーロッパ全域、東はインド、中国、東南アジアへと伝わり様々な文化を反映し、その地域独自の音楽にあわせて改良され愛用されるようになった。
東の端っこ、つまり日本へも1600年代に大陸から琉球にも伝わり夜雨琴と呼んだ。おそらく中国の打弦楽器「楊琴、洋琴(ヤンチン、ようきん)」という名前から夜雨琴の漢字を当てたのだろう。なんかハートに染みる情緒満載の名前だ。
琉球王国では、御坐楽(うざがく)という室内で演奏する楽曲があり、夜雨琴は、その楽団で使う楽器のひとつとして演奏された。
琉球王国の滅亡とともにオリジナルの御座楽の伝承は絶えたが、当時の楽曲を復活させて演奏することも行われている。当時の本物の夜雨琴は、博物館行きの個体しか残っていないようだが、復活製作されている。
とはいえ、打弦楽器は日本では定着する琴は(事は)なく、知名度はすこぶる低い。
西アジアから、全世界に広がった打弦楽器
日本の夜雨琴は ほとんど目にすることはないが、下記の楽器は使用頻度は少ないものの現在でも「現役の楽器」として活躍している。
santur(サントゥール)は、古代ペルシャから、そして現在でも使われている打弦楽器のルーツ。
santoor(サントゥール)は、インドで使われいる同じ名前の打弦楽器。
cimbalom(チンバロン)、hummer dulcimer(ハンマーダルシマー)、Hackblett(ハックブレット)は、ヨーロッパで発展した打弦楽器。
中でもハンガリーのチンバロンは、堂々とした大型のボディで 響きを制御するダンパーが装備されているなど、鍵盤の無いピアノのようだ。
yang qin(ヤンチン)は、中国の打弦楽器。
yang geum(ヤングム)は、韓国の打弦楽器
khim(キム)は、タイ王国の打弦楽器。