2019年7月14日日曜日

弦が1本


インドの一弦琴 ゴピチャン Gopichant_
底が皮張りになった胴体に、二等辺三角形の竹の柱が取り付けられている。
1本の弦は、皮から柱の頂点にある糸巻きに繋がっている。
柱は竹なので しなやかに曲がる。ギュっとにぎることで弦の張力が変わるので、もちろん音程も変わる。
メロディを奏でるのは、ちょっと無理があるが、リズム楽器として歌の伴奏にも使う。



ベトナムの一弦琴 ダンバウ Dan bau
もともとは太い竹に弦を張った楽器であったが、近年では共鳴箱は木製になっている。
1本の弦を使っての演奏方法は特殊でとても難しい。
右手で、弦長の1/2、3/4、4/5など、ハーモニックスが鳴る部分に触れて弦をはじく。左手は竿を押し引きして弦の張り強さを変える。
ベトナムだけではなく、中国の南部では 独弦琴(ドゥシェンチン)の名前で使われている。


日本の一弦琴 須磨琴 Sumakoto
1枚の板に1本の弦が張られている。とても単純な構造で本体は箱構造になっていない。なので板琴と呼ばれることもあり、音量も小さい。
弦長は弦にスライドバー(須磨琴では芦管または蘆管と呼ばれる)を押さえつけることにより変化させる。


ハープ属の形

ハープ属の形をよくよく見ると、基本的に「L字形」をしていて、演奏する姿勢によって方向が変わっていることがわかる。
右の図は同じイラストをコピーして右へ左へクルクル回したものだ。

箜篌
箜篌は音響ボディを抱えて弾く。弦は音響ボディから下方向に向かって張られる。

サウン・ガウ
例えばサウンガウは、音響ボディが底面にある。保管する場合には安定した形だね。比較的小さなハープにこの形が多い。アフリカのハープにも、この形があったりするね。

サウン・ガウ
サウン・ガウ

西洋のハープ
グランドハープやイタリア、スペインなどでアルパと呼ばれている西洋のハープは音響ボディを抱えて弾くが、箜篌と比べると上下が逆だ。弦は音響ボディから上方向に向かって張られる。逆三角形で重心が高いので倒れなかちょっと不安。

現在のいわゆるハープにはもう一本支柱が存在する。弦を強く張るほうがいい音がでるので、だんだんと強い弦が開発され、その張力に楽器本体が耐えられるようにしたんだろうね。

アルパ
アルパ