スワルサンガム(上) と スワルマンダル(下) |
おそらく、西洋のチター属の弦楽器から派生したものであって、インドの伝統的な楽器ではなさそうである。
スワル サンガムには、ジャワリというビリビリ音を出す仕組みがブリッジに組み込まれている。これはインドならではの構造ではあるが、楽器全体としては、ヨーロッパ(特に北欧)に広く分布しているチター属である。ヨーロッパでは民族楽器としてそれぞれの地域で古くより愛用されている。
スワル マンダルは、中世ヨーロッパではプサルテリウムとか呼ばれていた弦楽器の系列で、近年の新しい楽器ではオートハープ(不要な音をミュートして和音を出すハープ)がある。スワル マンダルは、オートハープのコードバーを取り外したものと言い切っていいくらい酷似した形状。
インド人は音楽好き、楽器好きである。日本の大正琴もインド流に改造されてブルブルタラングという名で愛用されていたり、バイオリンやリード・オルガン(ハーモニウム)も、インド音楽のアンサンブルに入り込んでいる。
伝統的民族音楽や、その楽器は伝統として守って行かねばならぬ、と思うのは他国地域人の勝手な思い込みだろう。創作楽器でもって「新しい音」を自分たちの音楽に取り入れていくのは長い歴史のなかでどんどんやってきた事なんだからね。