竪箜篌(たてくご)、鳳首箜篌(ほうしゅくご)、臥箜篌(ふせくご)などの形状があるが、ここで紹介しているのは竪箜篌。
古代アッシリア、ササン朝ペルシアあたりで発祥した弦楽器で、中国へ、そして日本へも伝来した。
日本では百済琴(くだらごと)とも呼ばれているように、奈良時代に朝鮮半島の百済楽とともに伝来し、平安初期まで雅楽器として用いられた。
竪箜篌は、私たちがよく知っている西洋のハープと似ていて演奏姿勢も同じといっていい。
でも、よく見ると上下が逆であるのに気づく。もう一つ違うのは「L字形」で、支柱が無い。当時は高張力に耐える弦がなかったのだろう。弦は緩く張ってあるので支柱がなくても壊れたり、反り返ったりしなかったようだ。チューニングはヒモで締め付ける組紐式。
共鳴胴は木材で作るのが一般的だけど、箜篌は金属の銅で作られているものもあるという。
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