チター/リラ/キタラ/ハープ |
楽器の分類については、間違っているとか合っているとか小こざかしいことは言いっこなしだ。 楽器に先祖代々親子関係があるわけではないし、DNA鑑定で科学的に分類するなどできはしない。むかしむかしの楽器好きの人々が自由気ままに作り上げたものを後世の学者が区分したものだから、まあまあ適当だ。 このページの分類も「そんなものか」くらいの感じで見ていただければいいのですよ。 |
チター属 共鳴箱に弦を張ってあって、ネック(棹)は無い。基本構造は弦楽器の中では原始的で単純な構造をしている。 図は省略してあるので長方形であるが、台形であったり曲面でデザインされたものもある。 日本の「こと(琴/箏)」もチターの仲間だ。 プサルター属という場合もある。 | |
ハープ属/リラ系 共鳴胴に2本の棒を立てて、横棒を取り付けてある。横棒と共鳴胴との間に弦が張られている。 初期のリラは共鳴胴が亀の甲羅であったり、頭蓋骨を使ったものもあったようだ。 | |
ハープ属/キタラ系 共鳴箱とネック(棹)とが一体になっている。リラと同じように横棒と共鳴胴の間に弦が張られている。 大昔の人は自由に楽器を作っただろうから、楽器を作る際にリラとキタラを意識していたわけではないはず。リラ/キタラというのは分類するのに便利な名前を採用しただけなんだろう。 | |
ハープ属/ハープ系 いわゆるハープであって、現在のヨーロッパで発展した形。 チター/リラ/キタラとは違い、弦は共鳴胴に沿って張られず、大きな角度をもって横桁(ネック)に向かって張られている。 もっとも発展したハープとしては、演奏中に音程を変えることができるペダルがついたハープ(グランド・ハープ/ペダルハープ)。 |
箏と琴 |
日本では、と箏と琴はどちらも「こと」と読むが、厳密には異なる楽器である。 私たちが「こと」と呼んでいる楽器は箏(そう)であって、柱(じ)と呼ばれる小片で弦のチューニングを行う。1本1本の弦は固定された音程になっており音の数だけ弦がある。 一方、琴(きん)は、弦を押さえて弦長を変化させる。つまり、それぞれの弦で音の高さを変える演奏法を行う弦楽器である。 |