2018年1月16日火曜日

アントン・カラスとチター

チターを演奏するアントン・カラス Anton Karas
チターを演奏するアントン・カラス Anton Karas
Anton Karas (1906-1985) was a Viennese zither player

アントン・カラスは、チター(zither)のプレイヤー。ウィーンのホイリゲ(Heuriger ワイン専門の店)で演奏中に、映画監督のキャロル・リードに見出され、映画音楽担当者に抜擢された。
第二次世界大戦直後のウィーンを舞台にした『第三の男(The Third Man)』のBGMとして採用された「ハリー・ライムのテーマ」は、世界的名曲として後世に残ることとなった。
この映画を見て感動して世界中で、チター人口が増えたという話があるようだけど、演奏がとても難しいので弾きこなせる人は少なかっただろうと想像する。日本では、ビールのコマーシャルなどにも使われている。
共鳴箱に複数の弦を張った楽器全般をチターと呼ぶことが多いので、チターといってもあれやこれやといっぱい種類がある(日本の箏もチター属)。
アントン・カラスが弾いているのは、伴奏用の開放弦とフレットが付いたメロディ弦が組み合わされたチターで、コンサート・チターとかジャーマン・チターという名で特定される。

ハープ属の形

ハープ属の形をよくよく見ると、基本的に「L字形」をしていて、演奏する姿勢によって方向が変わっていることがわかる。
右の図は同じイラストをコピーして右へ左へクルクル回したものだ。

箜篌
箜篌は音響ボディを抱えて弾く。弦は音響ボディから下方向に向かって張られる。

サウン・ガウ
例えばサウンガウは、音響ボディが底面にある。保管する場合には安定した形だね。比較的小さなハープにこの形が多い。アフリカのハープにも、この形があったりするね。

サウン・ガウ
サウン・ガウ

西洋のハープ
グランドハープやイタリア、スペインなどでアルパと呼ばれている西洋のハープは音響ボディを抱えて弾くが、箜篌と比べると上下が逆だ。弦は音響ボディから上方向に向かって張られる。逆三角形で重心が高いので倒れなかちょっと不安。

現在のいわゆるハープにはもう一本支柱が存在する。弦を強く張るほうがいい音がでるので、だんだんと強い弦が開発され、その張力に楽器本体が耐えられるようにしたんだろうね。

アルパ
アルパ